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西尾先生のお言葉とその映像

植芝先生が逝去されてから10年余り、私はかつて先生の言われた言葉を道標として、現在の私なりに合気道を解釈しております。話を元に戻して、技のあり方について申し上げましょう。

まず、何故合気道に試合を必要としないのでしょうか。これは前述しました通り合気道の誕生の意義にあるように、奪う(倒す、殺す、つまり相手の生を損なう)武道から、与える(相手に進むべき道を示唆する)武道へと、従来の武道とは全く異なった方向に来ているからです。

武道の場合「己に厳しく対する」というのは、勝負の際に自己と対峙している相手をいつでも倒せるのだが、相手を大きく生かすために倒さないでおく、つまり倒そうとする気持ちを律することです。更にはそれを可能にするだけの実力を養うため、厳しい精進を欠かさない或いは長い間その気持ちを持続させるということなのです。

合気の技というものは、対峙した相手に反省の場を与える方法として存するものなのです。それも1つの技の中に1度、2度、3度と相手を倒せる瞬間があります。それがまた己自身のあり方の反省の場ともなるのです。



なぜ刀法、刀法の今後について、ぜひPart1の最初とPart2の最後をご覧ください。



 
 
 

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